この本は、樹医たちが有志をつのり「日本樹木保護協会」を設立していく話である。
木を切って仕事になっている我々の仕事としては、耳の痛い話だが
心のかたすみに置いておきたい話だ。
人間は、自分たち生物だけが至上のように思い、地球を勝手放題にしてきた。
しかし樹木をはじめるとする、すべての生物に感謝し、ともに生きていくことを考えなければ
万物の霊長といえないのではないだろうか。
人間と樹木との交流、ただ心をこめて「ありがとう」と言う それだけで充分だと思う。
どんな木も「押さえつけて穴をほり、切る」ではなく
いろんな意味で木に感謝し 木一本一本の個性を見分け
木と会話しながら一本の柱になり一本の桁になる。
まるで 「一本の木のような家」が出来上がる
そんな あたたかい家造りをしていきたい。
井手 郷志 大工