村田工務店
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ファイヤー村田(四代目)のブログ鹿児島から未来の大工が来熊・・・

~伝統技術を未来へ繋ぐために~

昨日、鹿児島県立宮之城高等技術専門校 建築工学科2年生の生徒さん2名と担任の先生が、

村田工務店へ会社見学に来てくださいました。

きっかけは学校の先生からいただいた一本のメールでした。

「手刻みの大工になりたいという生徒がいるのですが、一度見学させていただけないでしょうか。」

そのメールを読んだ時、私はとても嬉しくなりました。

なぜなら今の時代に、「大工になりたい」「手刻みを学びたい」と本気で考えている若者がいること自体が希望だからです。


まずは宮の台モデルハウス『焼杉の家』へ

見学当日は、まず益城町宮園にある宮の台モデルハウス「焼杉の家」をご案内しました。

創業109年の村田工務店が大切にしている、

「家は命を守るもの」

という理念の叡智を結集させたモデルハウスです。

そして、日本の伝統技術である手刻み工法と焼杉の魅力についてお話しさせていただきました。

また、先生と生徒さんには、私の著書『一生大切にしたい愛着のある家』をプレゼントさせていただきました。

少しでも家づくりへの想いや、創業109年の歴史の中で学んできたことが伝われば嬉しいと思っています。


手刻み加工場での真剣な時間

その後、甲佐町の手刻み加工場へ移動しました。

今回対応してくれたのは井手棟梁と、昨年4月に入社した社員大工の西生です。

大きな梁材を前に、生徒さんたちへ説明を行う井手棟梁と西生。

静かな作業場の中で、みんな真剣な表情です。

手刻みとは何か?

なぜ今でも続けているのか?

どんな想いで木と向き合っているのか?

学校では学べない現場のリアルな話が続きました。

生徒さんからも活発な質問がありました。


昨年の新人が、今は後輩へ伝える立場に

私が特に嬉しかったのは、この光景です。

昨年4月に入社した西生(現在19歳)が、生徒さんに自分の経験を語っていました。

わずか1年前までは同じ専学校生。

右も左も分からなかった彼が、今では自信を持って後輩へ説明している。

その姿を見ながら、

「成長したなあ」

と胸が熱くなりました。

棟梁から技術を学び、

現場で経験を積み、

そして今度は自分が伝える側になる。

これこそが技術継承の本質だと思います。

 

余談ですが、西生は私の講演会を中学2年生の時に

お母様と二人で聞いたのがきっかけでした。

「村田工務店の大工になるには、どうしたらいいのですか?」

真剣な眼差しは今でも覚えています。

それから人吉にある「球磨工業伝統建築科」に入学し優秀な成績をおさめて

弊社村田工務店に入社しました。

朝は誰よりも早く挨拶も大きく、素晴らしい逸材です。


大工不足の社会課題と問題点

総務省のデータによると、1980年は約94万人いた大工は年々減少し

2020年は約30万人・・・三分の一に至る現実があります。

特に、20代の大工は僅か2万人です。

高齢化が進む中、これから日本の大工問題は更に深刻になると言われています。

 

今回の見学を通して、改めて感じたことがあります。

それは、

「大工不足が問題ではない」

ということです。

未来の大工になりたい若者は確実にいます。

今回来てくれた二人も、

「人に喜んでもらえる家をつくりたい」

「手刻みを学びたい」

という強い想いを持っていました。

問題は、その若者たちを受け入れ、育てる環境が減っていることです。

 

現に、鹿児島で手刻みの工務店がないので生徒自ら

ネットで検索して「熊本の村田工務店」を探したそうです。

恐らく、全国でこのような問題が起きているのだと思います。

 

現在、住宅業界のほとんどがプレカット工法となり、手刻みを行う会社はごく僅かです。

プレカット工法99%:手刻み工法1%

だからこそ、私たちには技術を守り伝えていく責任があります。


村田工務店の使命

創業109年。

祖父から父へ。

父から私へ。

そして次の世代へ。

4代にわたって受け継ぐべきものは建物だけではありません。

職人としての誇り。

お客様を想う心。

木と向き合う姿勢。

そして日本人が育んできた建築文化です。

 

私は今回の見学会を通じて、

村田工務店は「家を建てる会社」である前に、

「未来の棟梁を育てる会社」

でありたいと改めて感じました。


未来への希望

今回見学に来てくれた生徒さんたちが、将来どんな道を歩むのかは分かりません。

しかし、その真剣な眼差しを見ていると、日本の伝統建築の未来は決して暗くないと感じました。

宮之城高等技術専門校の皆様、遠方よりお越しいただきありがとうございました。

 

そして井手棟梁、西生。

素晴らしい対応をありがとうございました。

村田工務店はこれからも、

日本の伝統技術を守り、

次世代の棟梁を育て、

「一生大切にしたい愛着のある家」をつくり続けて参ります。